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脳内にあるキャラ達を呼び起こす感じですね。
クライヴがルシアを華麗に召喚した時みたいに
うまくいけばいいな。
ということで。
ダークファンタジー。
上手く形にできないまま脳内の中でくすぶり続けています。
キャラがちゃんとできていなくて……(><)
文章の気に入らない点はまた折を見て直したりするかも。
試行錯誤中(再び)
あ、タイトルだけ「fragile」シリーズと決まっています(汗)
フラジ―ルではなく、フラジャイルの方で読んでくださいまし。
クライヴがルシアを華麗に召喚した時みたいに
うまくいけばいいな。
ということで。
ダークファンタジー。
上手く形にできないまま脳内の中でくすぶり続けています。
キャラがちゃんとできていなくて……(><)
文章の気に入らない点はまた折を見て直したりするかも。
試行錯誤中(再び)
あ、タイトルだけ「fragile」シリーズと決まっています(汗)
フラジ―ルではなく、フラジャイルの方で読んでくださいまし。
シェリルが走ってこちらにやってくる。
「……キリア」
鮮烈な光が、部屋に差し込んだ。
ちゃぷん、と音を立てて透明な輝きが弾ける。
走ってきた勢いで胸に抱えていた器の中で水が撥ねたのだ。
彼女は器をそっと抱え直しゆっくりと歩いてきた。
窓際に器を置いて、花を生ける。
太陽を目指して咲くオレンジの花。
こちらに向き直ったシェリルは微笑んでいた。
柔らかい微笑み。
春の陽だまりではなく冬の木漏れ日だ。
春の日差しよりも圧倒的に強い光。
視線が合いそうになり目をそらす。
傷ついたような顔が垣間見えた。
「シェリル……」
言おうか迷っていた言葉を胸の内から引きずり出す。
ふとした瞬間に感じた違和感を拭えないまま
今日まで来てしまった。
気づいてしまったら、もうごまかすことはできない。
ぐ、とこぶしを握る。
「俺とおまえは、相容れない存在なんだよ」
血を吐くような思いで口に出した言葉に
彼女は眼を見開き、口元を手で押さえた。
傷をつけることで、彼女が離れればいいと
傲慢な望みをつきつけている。
「……どうして急にそんなこと」
「最初から分かっていたことだ。
俺が魔族と人との間に生まれた穢らわしい生き物で、
お前とは違いすぎることはな」
壁に拳を叩きつけても、シェリルは怯えることなく
近づいて、その手をとる。
血が滲んだこぶしを布で拭い手当てをしようとしていた。
「やめろ……」
「あなたは穢れてなんかいない。
そんなこと思ったこと一度もないわ。他人がどう思おうが、
私にとってあなたは一人の弱い人間にすぎない。
とっても強くて優しくて脆い普通の人間よ」
そう告げる彼女の方が穢れを知らない乙女だった。
同じ夜と朝を幾度過ごしたか分からないが、
俺の腕の中で羽を広げて
花を咲かせても、身も心も綺麗なまま。
美しさを増していった。
涙を瞳に浮かべながらこちらを見つめる眼差しに、怯える。
「……私が愛したあなたまで否定しないで」
抱きつかれて、勢いで壁にぶつかる。
きつく絡められた腕を引きはがせるはずもなく、
そっと腕を絡ませる。
肩越しに寄せられた頬。
涙が滲んで衣服に染みを作っていた。
「駄目なんだ……俺のそばにいるとお前を傷つけることになる」
「傷ついたりしないわ」
「違う……んだ」
傷つける以上に取り返しのつかないことになる。
「……え」
しっかりと頭を抱え込んで引き寄せる。
「俺のそばから……俺から、逃げてくれ……」
「わけを話して……話してくれても納得できる理由じゃなきゃ嫌よ」
口にするのも躊躇われる。
魔として生きることを選んだあの兄のこと。
双子の弟である俺への異常なまでの執着。
その独占欲故に、俺の大切な存在まできっと壊すだろう。
躊躇いもなく無残に、粉々にその存在を打ち砕くだろう。
「俺には双子の兄がいる。顔は同じで眼の色と髪の色が違う。
あいつは人として生きることを選んだ俺とは違い魔として生きることを選んだ。
まさしく悪魔そのものだ。
会ってしまったら終わりだ……何をされるか分からない」
息をとめたシェリルが首を振る。
「……どんなことがあってもあなたの傍にいるって言ったでしょ」
「お願いだ……俺の言うことを聞いてくれ」
「大丈夫よ……話せば分かりあえるはずよ」
話が通じる相手じゃないんだと言ってもお前は理解しないんだろう。
その美しすぎる心は、この世に悪があるということすら知らない。
「俺はシェリルがどこかで生きてくれさえすればいい。
だから、もう終わりにしよう」
そう告げなければ、もはや彼女は離れてくれそうになかった。
「……キリアの馬鹿」
泣きはらした顔で走り抜けていく。
この時が今生の別れとなった。
次に見た彼女は、深紅に塗れていた。
胸を貫く長剣は、あいつの愛用しているもの。
漆黒のドレスを着せられた姿で、永久の旅立ちをした。
お前を守ると言えればよかったのに。
彼女を一人にさせなければよかった。
「……キリア」
鮮烈な光が、部屋に差し込んだ。
ちゃぷん、と音を立てて透明な輝きが弾ける。
走ってきた勢いで胸に抱えていた器の中で水が撥ねたのだ。
彼女は器をそっと抱え直しゆっくりと歩いてきた。
窓際に器を置いて、花を生ける。
太陽を目指して咲くオレンジの花。
こちらに向き直ったシェリルは微笑んでいた。
柔らかい微笑み。
春の陽だまりではなく冬の木漏れ日だ。
春の日差しよりも圧倒的に強い光。
視線が合いそうになり目をそらす。
傷ついたような顔が垣間見えた。
「シェリル……」
言おうか迷っていた言葉を胸の内から引きずり出す。
ふとした瞬間に感じた違和感を拭えないまま
今日まで来てしまった。
気づいてしまったら、もうごまかすことはできない。
ぐ、とこぶしを握る。
「俺とおまえは、相容れない存在なんだよ」
血を吐くような思いで口に出した言葉に
彼女は眼を見開き、口元を手で押さえた。
傷をつけることで、彼女が離れればいいと
傲慢な望みをつきつけている。
「……どうして急にそんなこと」
「最初から分かっていたことだ。
俺が魔族と人との間に生まれた穢らわしい生き物で、
お前とは違いすぎることはな」
壁に拳を叩きつけても、シェリルは怯えることなく
近づいて、その手をとる。
血が滲んだこぶしを布で拭い手当てをしようとしていた。
「やめろ……」
「あなたは穢れてなんかいない。
そんなこと思ったこと一度もないわ。他人がどう思おうが、
私にとってあなたは一人の弱い人間にすぎない。
とっても強くて優しくて脆い普通の人間よ」
そう告げる彼女の方が穢れを知らない乙女だった。
同じ夜と朝を幾度過ごしたか分からないが、
俺の腕の中で羽を広げて
花を咲かせても、身も心も綺麗なまま。
美しさを増していった。
涙を瞳に浮かべながらこちらを見つめる眼差しに、怯える。
「……私が愛したあなたまで否定しないで」
抱きつかれて、勢いで壁にぶつかる。
きつく絡められた腕を引きはがせるはずもなく、
そっと腕を絡ませる。
肩越しに寄せられた頬。
涙が滲んで衣服に染みを作っていた。
「駄目なんだ……俺のそばにいるとお前を傷つけることになる」
「傷ついたりしないわ」
「違う……んだ」
傷つける以上に取り返しのつかないことになる。
「……え」
しっかりと頭を抱え込んで引き寄せる。
「俺のそばから……俺から、逃げてくれ……」
「わけを話して……話してくれても納得できる理由じゃなきゃ嫌よ」
口にするのも躊躇われる。
魔として生きることを選んだあの兄のこと。
双子の弟である俺への異常なまでの執着。
その独占欲故に、俺の大切な存在まできっと壊すだろう。
躊躇いもなく無残に、粉々にその存在を打ち砕くだろう。
「俺には双子の兄がいる。顔は同じで眼の色と髪の色が違う。
あいつは人として生きることを選んだ俺とは違い魔として生きることを選んだ。
まさしく悪魔そのものだ。
会ってしまったら終わりだ……何をされるか分からない」
息をとめたシェリルが首を振る。
「……どんなことがあってもあなたの傍にいるって言ったでしょ」
「お願いだ……俺の言うことを聞いてくれ」
「大丈夫よ……話せば分かりあえるはずよ」
話が通じる相手じゃないんだと言ってもお前は理解しないんだろう。
その美しすぎる心は、この世に悪があるということすら知らない。
「俺はシェリルがどこかで生きてくれさえすればいい。
だから、もう終わりにしよう」
そう告げなければ、もはや彼女は離れてくれそうになかった。
「……キリアの馬鹿」
泣きはらした顔で走り抜けていく。
この時が今生の別れとなった。
次に見た彼女は、深紅に塗れていた。
胸を貫く長剣は、あいつの愛用しているもの。
漆黒のドレスを着せられた姿で、永久の旅立ちをした。
お前を守ると言えればよかったのに。
彼女を一人にさせなければよかった。
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