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last supper

最後の晩餐をあなたと。

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てへ!
じゃないよ。

や、これで最後ですんで、
よかったらおつきあいくださいまし。

読んでくださっている方に多大なる感謝を。

あえて登場人物の名は、出してません。

あるにはあるのですけどもね。


ダークですみません。
あと大人な雰囲気かな?

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約束の時間になっても彼は部屋に来ない。
嫌な予感がして、外へ出た。

そして、あろうことか公衆の面前で
よく知る二人を見てしまう。


泣いて取り乱す彼女の腕を引き寄せて
胸に抱く姿。
小柄な彼女は彼の腕の中にすっぽりとおさまっていた。

彼女を抱きしめる彼の顔は、偽りのない優しさで溢れていた。

大事でたまらないのだろう。

その場面に釘づけになって、暫く動けなかったけれど、
お互いしか見ていない二人に気づかれることはなかった。

涙が、頬を滑る。
嗚咽をかみ殺し、必死で自分を抑えた。
掻き乱れているこの心が、悲鳴をあげる。

私は彼女を知っていた。
同じ場所で働いている彼女は、とてもりりしくて
しっかり者で、気が強いのだけれど
どこか無防備で守ってあげたくなる存在だと思った。

正直言ってとても好きで、
だからこそ彼と親しい仲だと知りたくはなかったのだ。

奪いたいなんてさらさら思わない。
完璧なほど整った二人を壊すことなんてできない。

私は陽だまりのような時間が過ごしたいのであって、
別に彼に抱かれたいわけじゃない。

心を包んで受け止めて欲しかった。

彼は、いつだって、私の向こう側しか見ていなかった。
きっと、体と心は別なのね。
彼女とは全部を分かち合うのだろうけれど。

不器用な指で涙を拭うような優しさは私には見せてくれなかったじゃない。

何もくれない彼に、
身も心もばらばらになりそうで
一刻も早くピリオドを打たなければと思った。

大好きで、とても愛おしい。
嫌いになれないから離れたい。

もう一度、心と体に、彼を感じたらそれが最後。


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