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付き合い始めて数か月。
甘い飴玉をなめるような関係が、心地よい。
秋が深まりさみしげに木の葉が散っていても、明梨と一緒にいれば
陽だまりの中にいるようで。
その小悪魔は人の目の前で無防備に眠りこけている。
お互いに苦手な教科を教えあいこしていて、午後三時の休憩を取った。
母親が持ってきたおやつを食べて、ココアを飲み、あくびをかみ殺しつつ
勉強を再開したのだが……三十分も持たなかった。
何考えているのだろう。そういえば朝から眠たそうだった。
迎えに行って一緒に俺の家に来る途中も瞼をこすっていた。
「……明梨」
頬につんつんと触れる。滑らかで柔らかなほっぺただ。
口は、にへらっとしまりなくゆるんで半開き。
よだれは垂れていないものの色気もへったくれもない。
大層かわいくて苛めてやりたくなるけれど。
「……おなかいっぱい」
「寝ぼけてないで起きろ! 」
「ひえええっ。悪魔だ。こわーい」
ぱちっと大きな瞳を見開いて、明梨は頭を押さえた。
人の顔を見た途端に失礼な暴言を吐いたのは見逃せない。
「誰が悪魔だ。まだそんなにやってないだろ。起きて続きしよう」
「っつ……」
「そんな所で寝るから」
と言いつつ、気持ちよさそうに眠っているのを見て起こすのが忍びなかったのだけれど。
「でも、優しいね、砌。ブランケットかけてくれたんだ」
肩にかかるものを引っ張って、明梨は微笑んだ。
「……風邪ひいたら困るだろ」
顔を赤らめたら、明梨は笑って手を伸ばしてきた。
さっき彼女に触れた場所ー頬ーに。
両の掌で包み込まれて、怯む。
大きな瞳が覗き込んでくる。
「真っ赤だよ」
「……からかうなよ」
お返しに、相手の頬を両手で挟んで押さえつけてやった。
「ぶへ…… 」
「不細工なのにかわいいんだけど」
ぎゅーっと押さえつけて離したら顔を赤らめて反応した。
息を吐き出して、睨まれるが全然怖くはない。
「砌は、私のことからかって、遊んでばかりなんだから」
拗ねて唇をとがらせている。
「明梨が好きだからだよ」
髪をひとすくいして、口づけると驚いたのか固まってしまった。
「かわいすぎるから、悪い」
腕をひいて抱き寄せたら、一瞬抵抗するが、すぐに大人しくなるのだ。
「かわいくないもん。砌の方がかわいいし」
「俺がかわいいとか言われるの嫌って知ってて」
若干むっとした。かわいいと言われてうれしい男がいるのだろうか。
高校生にもなって。
「はっ……ごめん。わざとじゃないから」
「しょうがねえな。許してやるよ」
しゅんと沈んだ明梨を強く抱きしめて髪を撫でた。
よしよしと、何度も頭のてっぺんを撫でる。
「キスして」
「……三秒時間をください」
俺は殊勝な明梨の言葉を聞いて三秒待った。
ちゅ、と軽くついばむような唇が重なり離れる。
もどかしくて、もう一度触れたくなって、今度は強気に唇を重ねた。
吐息が空気に溶けるくらいの少し長めのキス。
ひとさし指を明梨の唇に当てて、
「勉強が終わったら、送っていくから。
帰りの電車の中でいちゃつこう」
「堂々と言うんだから、もう。恥ずかしいでしょ」
「もちろん人が見てない隙に」
再び勉強を再開したのだが、
明梨は短い午睡のおかげで、よく頭が働いているようだった。
甘い飴玉をなめるような関係が、心地よい。
秋が深まりさみしげに木の葉が散っていても、明梨と一緒にいれば
陽だまりの中にいるようで。
その小悪魔は人の目の前で無防備に眠りこけている。
お互いに苦手な教科を教えあいこしていて、午後三時の休憩を取った。
母親が持ってきたおやつを食べて、ココアを飲み、あくびをかみ殺しつつ
勉強を再開したのだが……三十分も持たなかった。
何考えているのだろう。そういえば朝から眠たそうだった。
迎えに行って一緒に俺の家に来る途中も瞼をこすっていた。
「……明梨」
頬につんつんと触れる。滑らかで柔らかなほっぺただ。
口は、にへらっとしまりなくゆるんで半開き。
よだれは垂れていないものの色気もへったくれもない。
大層かわいくて苛めてやりたくなるけれど。
「……おなかいっぱい」
「寝ぼけてないで起きろ! 」
「ひえええっ。悪魔だ。こわーい」
ぱちっと大きな瞳を見開いて、明梨は頭を押さえた。
人の顔を見た途端に失礼な暴言を吐いたのは見逃せない。
「誰が悪魔だ。まだそんなにやってないだろ。起きて続きしよう」
「っつ……」
「そんな所で寝るから」
と言いつつ、気持ちよさそうに眠っているのを見て起こすのが忍びなかったのだけれど。
「でも、優しいね、砌。ブランケットかけてくれたんだ」
肩にかかるものを引っ張って、明梨は微笑んだ。
「……風邪ひいたら困るだろ」
顔を赤らめたら、明梨は笑って手を伸ばしてきた。
さっき彼女に触れた場所ー頬ーに。
両の掌で包み込まれて、怯む。
大きな瞳が覗き込んでくる。
「真っ赤だよ」
「……からかうなよ」
お返しに、相手の頬を両手で挟んで押さえつけてやった。
「ぶへ…… 」
「不細工なのにかわいいんだけど」
ぎゅーっと押さえつけて離したら顔を赤らめて反応した。
息を吐き出して、睨まれるが全然怖くはない。
「砌は、私のことからかって、遊んでばかりなんだから」
拗ねて唇をとがらせている。
「明梨が好きだからだよ」
髪をひとすくいして、口づけると驚いたのか固まってしまった。
「かわいすぎるから、悪い」
腕をひいて抱き寄せたら、一瞬抵抗するが、すぐに大人しくなるのだ。
「かわいくないもん。砌の方がかわいいし」
「俺がかわいいとか言われるの嫌って知ってて」
若干むっとした。かわいいと言われてうれしい男がいるのだろうか。
高校生にもなって。
「はっ……ごめん。わざとじゃないから」
「しょうがねえな。許してやるよ」
しゅんと沈んだ明梨を強く抱きしめて髪を撫でた。
よしよしと、何度も頭のてっぺんを撫でる。
「キスして」
「……三秒時間をください」
俺は殊勝な明梨の言葉を聞いて三秒待った。
ちゅ、と軽くついばむような唇が重なり離れる。
もどかしくて、もう一度触れたくなって、今度は強気に唇を重ねた。
吐息が空気に溶けるくらいの少し長めのキス。
ひとさし指を明梨の唇に当てて、
「勉強が終わったら、送っていくから。
帰りの電車の中でいちゃつこう」
「堂々と言うんだから、もう。恥ずかしいでしょ」
「もちろん人が見てない隙に」
再び勉強を再開したのだが、
明梨は短い午睡のおかげで、よく頭が働いているようだった。
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