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last supper

最後の晩餐をあなたと。

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というものがあったのでやってみましたー。

智美へのお題 『思い出の場所で 後悔をするように 君は一人、
「他にどうしようも無かったんだ」 と言いました。』


最近イアンとジュリアが盛り上がっているので彼らでいきました。

ツイッターで流した物に少し加筆しておりまする。

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ここで来ようと言い出したのはどちらだっただろう。
お忍びで出かけた地で密度濃く触れ合った記憶。
眩くも切ない想い出が胸の中に宿っている。

過ちなんかでは終われるはずなかったのに
戻れない道へと突き進んだ。

彼の背中にそっと手のひらを押し当てた。
私以上に苦しんでいる。
逃れられない罪、環境、壊せなくて、壊したくて
あなたはいつも、平静を装って、私を試すようにからかう。
意地悪な時は、苦しんでいるのだ。
私は気づかぬ振りをして、あなたの優しい偽りに溺れるの。
「イアン……」
「どうしようもないな……あなた一人救えないだなんて」
頭を振るイアンをぎゅっ、と抱擁した。
肩口に腕を回して頬を寄せる。

初めてここを訪れたのはいつだったか覚えていて?」
声が震えないように言葉を紡ぐ。
肩に触れた手を彼が掴み、指先に口づける。
「もう何年も経ちますね……忘れるはずもない。あなたと私が一つになった日だ」
「……思い出が増えても始まりのあの日を忘れるわけがないのよ」
裸で水面に上がった私は抱き上げられ、広い背中に腕を回した。
胸が疼くようなキスをした。
今すぐ、抱かれたくなるような欲情がこもったキス。
そしてその夜、初めて抱かれた。
すべてを捧げて、ただ泣いた。何
度も求めてくるイアンが愛しくて私も彼が欲しくて、
あの夜が永遠だったらよかったと、今は思う。
思い出の湖で、寄り添いながら、消えないため息をつく。
この景色はいつでも綺麗だった。
目に焼きつけようとすれば涙が滲んで世界がぼやけてしまうのだけれど。

「幸せが逃げていくんですよ」
「逃げてなんかない。幸せよ、私も」
「俺も幸せですよ」
 お互いを愛せたことがすべて。
 繋いだ手から伝わる熱が真実だった。

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