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last supper

最後の晩餐をあなたと。

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今年最後になります。
ニューイヤーズイヴということで、
今年一年、拙いサイトと痛々しい雛瀬智美
にお付き合いくださり、ありがとうございました。
見守ってくださってると思うだけで元気になれました。

晦日に自虐的になったところで

また、来年もよろしくお願いしますー!。


続きから、「庇う」をどうぞ。
ダークファンタジーですっ。

断片でわけも分かりませんが(TT)

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崩れ落ちる肢体を抱きとめる。
柔らかな体は脱力して、瞼は開閉を繰り返している。
まもなく、終わりを告げようとしている彼女の時間を
彼は、認めることができずに、背中を抱く腕に力をこめる。
鼓動の乱れは自分のものか彼女のものか。
視界がぼやけて、泣いているのを知った。
熱い。塞き止められない感情。
「キ……リア」
華奢な指先が、彼の頬に伸びて涙をそっと拭おうとする。
その指を掴んで彼は、また泣いた。
泣くほどに自分を責めてしまう。
何故、庇った。
お前に庇われる価値など俺にはないというのに。
「シェリル……」
鮮血に塗れて尚、彼女は美しかった。
赤い血の華が咲き乱れた衣服は、元は純白で、
彼と結婚の誓いを交わす為のドレスだった。
この日の為の……。
髪を飾る白い花は、血を浴びて赤い花となった。
「泣かないで。私は笑っているあなたが好きなの」
「……っ」
最後まで、優しくて残酷。
普段と変わらない。
シェリルは、キリアにいつもそう言って甘く微笑んだ。

彼女の言葉でこれまでを邂逅し涙が余計にこみ上げてしまう。
実兄セイアの凶刃を受けようとしていた己を庇い、彼女は倒れた。

すべてがスローモーションで、
時が止まったかのように映った。

飛び出してきた黄金の光が、黒い闇に飲み込まれた。
引き抜かれた大剣から、飛び散ったおびただしい量の鮮血。
返り血を浴びて、一瞬瞳を瞠ったセイアは、冷笑を浮かべて、口の端を舐めた。
『最後まで、キリアを庇うんだねえ』
捨て台詞を残し、消えていった。

この世のものならざぬ淫靡な美しさだった。
地に拳を打ちつける。何度も。
唇をかみ締め、血がにじんだ。

脳裏に過去を思い返しても、時の流れは止まることはなかった。
まだ温かい。
膝に抱きあげて、背中に腕を回した。
せめて、この時を止めていたいとばかりに抱き尽くす。
行くな。
往くな……いくな!
「……あの人に弟であるあなたを手にかけさせたくなかったの」
「弟とか、関係ないんだ。邪魔ならどんな手を使っても消す。
それが、セイアだ」

キリアと違い、真の魔族であるセイアには、全うな常識や秩序などかけらも存在しない。
シェリルとともに人として生きることを選んだキリアには、
優しさゆえの甘さが残り、すべての徒となってしまった。

こんな日が来ることを、いつしか知っていたはずなのに
防ぐこともできず、無力な己を嘆くしかできずにいる。
彼女を穢されそうになった時に、あの男を殺しておけばよかったのだ。
「……あなたと私は、一つでしょ。心も体も溶けて合わさってるわ」
力ない手のひらが、キリアの手を握ろうと動いた。
「もう、何も言うな。分かってるから」

ふ、とシェリルは笑った。
赤い血を指で拭い、抱きしめる。

「愛しているわ、私の大好きなキリア」

世界から、音と光と匂いが、消えた瞬間だった。
キリアは、時を忘れてシェリルを抱きしめていた。
命の温もりが消えて完全なる躯と成り果ててしまった時、
彼女の体を抱えて歩き始めた。

彼の顔からは表情が消え無が支配していた。
シェリルの魂が消えた時にキリアの心も
死んだ。
床に放ったままだった愛剣を腰に佩いて歩く。

やがて辿りついた場所は、深青の湖。
キリアは青く染まった湖に、シェリルの体を沈めた。

真紅に染まった穢れなき花嫁は、湖の底へとその姿を消した。
(俺が、同じ場所に眠る日までさようなら……シェリル)

修羅と化した彼は、もはや人間ではなくなっていた。
銀だった髪は、漆黒に変わり、
忌み嫌っていた双子の兄と瓜二つの造形になっている。

歯止めであった聖女を失ったキリア・グレイは
人間としての生を終え、魔族として目覚めた。

彼は復讐が果たされる、その日まで、
血塗られた道をひた走り続ける。



**************************


ええと、何か完結できたら、始めるつもりが何年も脳内だけの作品
「fragile」(フラジャイル)

とりあえず変わってないのはヒロインが死ぬこと……
えええっ!
最初からじゃないんですよ?

ごう○○されて死ぬ設定は、あまりなので消えました。



タイトルが「壊れ物」
トップページに
こんな詩があります。え、今出すの?
いつ出せるかわからないのでね☆

glay cialでもいいんだけど、それは別で取っとこうと、fragile。
下記の詩、フラグが立ってますね……。
狂気でダークなファンタジーにしようと思ってるんで。えへ。
この詩に物語が集約されてます。




fragile

たった一つ望むことさえ許されない。
望まなければ失わなかったのか。
君が羽を残して飛び立つことを
あの夜、知っていたならば。

この掌にかき集めた君の羽、赤く、赤く。

命の色で染められていた。
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