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last supper

最後の晩餐をあなたと。

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突発的ですが、
続きを期待して下さった希少なお方がいらっしゃったので、
つらつらつづってみます。
今回は15番目を更新。並び的には逆ですが、16の続きとなっています。
読みきりの文字を慌てて修正~!


ええとあまあまらぶらぶで、ちょっぴりテンション高いです。
やたらいきいきしている気がする。
彼氏彼女の名前も決まりました。

書けないと呻いているだけじゃ時間がもったいないので、ひねりだしました。





01 髪を梳く(Pleasure,Treasure。1→12→5)
02 口付けを落とす
03 指を絡ませる(fall in down)
04 傷の舐め合い
05 背中合わせ(12の続き。Pleasure,Treasure)
06 暴露
07 頬に触れる
08 秘められた関係(総一朗×まどか)
09 庇う
10 追い詰める(13の続き。sinful relations)
11 生む
12 後ろから抱き締める(5の続き。Pleasure,Treasure)
13 手を伸ばす(sinful relations)
14 ──越しに触れる(ガラス越し、格子越しなど)
15 撃ち抜く(16の続き)
16 共犯、共謀(シリーズ名なし)
17 前世からの付き合い
18 サイン (Eden)
19 抱き合う
20 シーツにくるまる(Pleasure,Treasure)
21 殺す
22 ラインを辿る
23 騙す
24 忠誠を誓う
25 腕を組む (sinful relations)
26 告白
27 許す
28 寄り添う
29 押し倒す(10の続き。sinful relations)
30 終幕

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何で彼女に惚れたかと言えば、上手く説明できない。
恋愛は理屈じゃないとはまさにその通りで。

高らかにチャイムの音が鳴った。
億劫だったが、鳴りやむと帰ってしまいかねないので、
そそくさと立ちあがり、玄関に向かう。

「紘也!」
ドアを開けると、仁王立ちした恋人・李子が立っていた。
取り乱しようがおかしくて、内心笑いをこらえるが、そんなこと向こうは知る由もないのだろう。
目を眇めて観察すれば、憮然とした表情は怒っているようだ。
顔色は真っ赤で目も幾分うるんでいる。
首に巻かれたスカーフは白地に黒の水玉模様。普通反対じゃないのかとは言わないでおく。
さりげなく中へ誘導し、鍵を閉める。
ソファへ、荒々しく座るなり睨みあげてくる。
「なんてことしてくれるんだ」
「ちゃんと言わないと分からないぞ、李子」
拳を握りぶるぶる肩を震わせている。
隣に腰をおろして、ぽんぽんと肩を叩いた。
「首と肩にはつけるなと言っただろ!」
「ああ、そのことか」
しれっとのたまうと相手はさらに神経を逆撫でた。
「おかげで暑苦しいのにこんなスカーフまで巻かなきゃいけなくなったじゃないか」
「キャビンアテンダントみたいでいいじゃないか」
すっと手を伸ばしてスカーフに触れると、途端に顔を赤らめる。
これだけのことなのに、反応が新鮮で楽しい。
「李子があいくるしいから、からかって遊びたくなるんだよ」
「褒められている気がしない」
つい本音をそのまま口にしてしまい、ついに李子は唇を尖らせた。
可愛い姿と男口調とのギャップが、実は好きだったりする。
腕の中に閉じ込めたら、何度か拳が胸を打つが痛くも痒くもない。
髪を撫でて、真上から見下ろせば、暫くすると大人しくなるのがパターンだ。
意地を張ると疲れるだろうに、一度は突っかからないと気が済まないらしい。
「……俺の部屋に呼んでよかった」
「っ……どういう意味」
「俺たちとっくにあんなことやこんなことしてるだろ。
今更、極度に恥ずかしがられると逆に傷つくよ」
しみじみ呟く。
見上げてきた李子の表情は戸惑っていて、若干良心の呵責が。
「嫌じゃないんだけど……、誰かと付き合うのって初めてだから……」
もごもご口ごもる。
「初めてであれだけ強気になれたことを褒めよう。
その手管はどうやって身につけたのか気になるよ」
「くっ……そっちが余裕たっぷりだったから、負けるのが悔しかったんだ。
 随分と慣れているようだし」
「ふうん。気になる?」
「べ、別に」
「李子の想像以上だったら嫌か?」
 ぶるぶると首を振る彼女をより強く抱きこんだ。
「今は私の彼氏だもん」
 望み通りの言葉に、胸が撃ち抜かれる。
 独占欲を刺激され、いつも側に置いておきたくなるのは当然だろう。
「キスマークくらいでいちいち騒いでたらこの先、身が持たないぞ。
ショック死しない自信はあるのか」
「……うう、ショック死しないよう麻痺に対する耐性をつけなきゃ」
手のひらをつないだ先で、ぐっと拳を握った。
「いや、本当可愛いな、李子は。
その耐性をつけるのはどうすればいいか、分かってる?」
「え……やっぱり色々遠慮します……って紘也、目がヤバい!」
腕から抜け出した李子の背中から腕をまわした。
耳元に唇を寄せて、
「馬鹿な李子。ここに戻ってきた時点でもう逃げられないんだ。
今度は、ちゃんと俺がお前を撃ち抜いてやるから」
(お望み通り耐性をつけようか)

「っ……紘也」
「いい子だから、全部預けて」

息を吹きかけただけで、くったりと凭れかかかってきた李子を横抱きにして
寝室のドアを蹴り開けた。

ベッドに横たえさせるとすぐに覆いかぶさる。
背中に絡めた腕が熱い。絡んでくる腕がこちらの背中を抱いていた。
「李子がそんな可愛いの知ってるの俺だけなんだからな。まったく自尊心をくすぐってくれる」
くすくすと笑いながら頬に口づける。
「……部屋に来たらこうなるの分かってたのに」
てれ隠しに意地を張っているようだった。
「俺とこうするの嫌いか?」
「好き……だと思う」
「だと思う?」
「紘也は、私の何もかもを絡め取っていくから、
自分がいつか空っぽになっちゃわないか怖いんだ」
「空っぽになんてならないよ。満たされて、もっと一緒に居たくなる。
離れられなくなるから。保障する」

耳に触れると、くすぐったそうに体をよじったが、次第に表情も変わってきた。
「紘也を束縛しちゃうかもしれない」
「俺がその前に李子を縛り上げるな。よそ見してると後が怖いぞ?」
「しないよ。させてくれないだろ」
「ああ、誰がそんなことするもんか」
「……って、紘也……やっぱり恥ずかしいよ」
「大丈夫。声出せるだけ出せばいいし。この部屋、壁は厚いから」
「に、憎い」
「褒め言葉か? 説得力なんてゼロだなあ」

なけなしの力で抗ってみせた後、あっさりと李子は腕の中に落ちた。
いちいち大げさな反応をする彼女に、
じっくりと色々な未知を教えていく楽しみは、計り知れない。
「……いじわる」
「そうか、もっと苛めてほしいってことか」

何事も適度が大切で、バランスを図るのは存外難しいと感じ始めていた。
相手が無邪気で、素直すぎる故に。

ずっと手を握っていれば安心するらしく、片時も離さない。
強く握りしめられ、力を込められても、
幸せなのは、愛しているからだろう。
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