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紘也×李子シリーズの5話目です。
いよいよクライマックスっぽくなってきました。
ブログで書いているだけなのに
何だろこの疲労&達成感……!
今回も微妙に恥ずかしいです(またか)
今回二人のフルネームが登場です。
もし以前どこかで出してたら、そっちは記憶から消して下さい(汗)
たびたびの改行はブログということもあり、見やすさを考慮している為です。
楽しんでもらえれば何より!
01 髪を梳く(Pleasure,Treasure。1→12→5)
02 口付けを落とす
03 指を絡ませる(fall in down)
04 傷の舐め合い
05 背中合わせ(12の続き。Pleasure,Treasure)
06 暴露(紘也×李子3)
07 頬に触れる
08 秘められた関係(総一朗×まどか)
09 庇う
10 追い詰める(13の続き。sinful relations)
11 生む(紘也×李子5)
12 後ろから抱き締める(5の続き。Pleasure,Treasure)
13 手を伸ばす(sinful relations)
14 ──越しに触れる(ガラス越し、格子越しなど)
15 撃ち抜く(紘也×李子2)
16 共犯、共謀(紘也×李子)
17 前世からの付き合い
18 サイン (Eden)
19 抱き合う
20 シーツにくるまる(Pleasure,Treasure)
21 殺す
22 ラインを辿る
23 騙す
24 忠誠を誓う
25 腕を組む (sinful relations)
26 告白
27 許す
28 寄り添う(紘也×李子4)
29 押し倒す(10の続き。sinful relations)
30 終幕
いよいよクライマックスっぽくなってきました。
ブログで書いているだけなのに
何だろこの疲労&達成感……!
今回も微妙に恥ずかしいです(またか)
今回二人のフルネームが登場です。
もし以前どこかで出してたら、そっちは記憶から消して下さい(汗)
たびたびの改行はブログということもあり、見やすさを考慮している為です。
楽しんでもらえれば何より!
01 髪を梳く(Pleasure,Treasure。1→12→5)
02 口付けを落とす
03 指を絡ませる(fall in down)
04 傷の舐め合い
05 背中合わせ(12の続き。Pleasure,Treasure)
06 暴露(紘也×李子3)
07 頬に触れる
08 秘められた関係(総一朗×まどか)
09 庇う
10 追い詰める(13の続き。sinful relations)
11 生む(紘也×李子5)
12 後ろから抱き締める(5の続き。Pleasure,Treasure)
13 手を伸ばす(sinful relations)
14 ──越しに触れる(ガラス越し、格子越しなど)
15 撃ち抜く(紘也×李子2)
16 共犯、共謀(紘也×李子)
17 前世からの付き合い
18 サイン (Eden)
19 抱き合う
20 シーツにくるまる(Pleasure,Treasure)
21 殺す
22 ラインを辿る
23 騙す
24 忠誠を誓う
25 腕を組む (sinful relations)
26 告白
27 許す
28 寄り添う(紘也×李子4)
29 押し倒す(10の続き。sinful relations)
30 終幕
自分がいる反対側の場所から、悪戯な会話が聞こえてくる。
「あの人、かっこいいよね」
「絶対彼女いるって」
「分かんないわよ。ああいう人に限ってガード硬かったりするし」
「声かけてみれば」
「どうしようかな」
女性たちはちらちらと、紘也の方を見ながらお互いを冷やかしていた。
距離的に会話が聞こえても文句は言えないが、
当の本人は気づいてもいないようだ。
分厚い本をバックから取り出してそっと、膝の上に置いた。
(やっぱり紘也ってモテるよな)
待ち合わせの椅子のベンチで、曲者の彼氏は膝を組んでいる。
六法全書と記された表紙を大事そうに撫で、
しおりを挟んでいたページを開き、薄く笑う様子はある意味不気味ともいえるが。
傍らにある分厚い本が、何の本かまで、女性達に確認できているのだろうか。
(ちょっと変だよな……)
つい後ずさりしそうになった私に罪はないだろう。
紘也は、普段はかけていない度なしの眼鏡をはずすとワイシャツのポケットに素早くしまった。
彼は未だ駆け出しだが、れっきとした弁護士で将来を嘱望されている。
大学在学中に司法試験に合格して、一人前の弁護士となるため、その道をひた走ってきた。
何歳で個人事務所を設立するかも、人生設計に組み込まれていて、
他の人生計画も、詳細に語られ返答に困った。
何度も、こっちの名前が出てきたので、どうやら私は彼の人生で
重要な役割を担うらしい。
(……どうも現実感がないんだよな。
そもそも私でいいのか。紘也にふさわしいのかな。
駄目だ。あまりの違いに虚しくなってきた)
おそるおそる近づくと、隣に腰を下ろした。
「や、やあ」
片手をあげて微笑む。ちょっとぎこちなかったかもしれない。
「……どうかしたのか。いつにも増して挙動不審だな」
面白おかしくてたまらないと言った風情の紘也を
本来なら怒ったりする所だが、
「紘也、この前の本気なの?」
「俺はいつだって本気だ。李子の前で嘘をついたことあったか」
「ない……。いや、でも私平凡なOLだし、
見かけも普通だと思うし、紘也と釣りあってるのかなって」
くっくっくと喉で笑われ、さすがに拳をぐーで握った。
そこで堪えた私も成長したと思う。
「成長したとか考えたろ。顔にしっかり出てるくせに」
「茶化さないで答えてよ」
「李子って全然自分のこと分かってないんだな」
「分かってるよ?」
「いいや。分かってないね。どこが平凡だって。
見た目はそりゃ誰がどう見ても女だが、口を開けば男言葉が飛び出すし、
鈍いし、馬鹿だし、ちょっと頭が弱いけど、存外可愛げもあるし」
「ほとんど悪口にしか聞こえないんだけど」
「気のせいだな。俺は真実を述べているだけだ。
要するに、こんな個性的で、手のかかる女の相手は一生俺しか務まらないということだ」
さりげなさすぎるが聞き逃すはずもなかった。
「簡単に言うなよ」
「そんなつもりはない。逆に聞くが、李子は俺じゃ不満なのか。
これから先、苦楽を共にする伴侶としては失格なのか」
想像以上に下手に出られ面食らう。
「鳩が豆鉄砲食らった顔してるな。俺だって常に自信満々というわけでもない。
お前に関しては、出方に迷うこともしばしばだし、弱い所見せるのはしゃくじゃないが、
まあいいかと妥協してしまっている……ああ、だから李子に俺は敵うはずもないってことなんだ」
強い口調は本音を晒しているしか思えなくて、
つ、と目頭の奥が痛んだ。
赤くなった顔を隠すように、抱きしめられる。
ぽすん、と音がした胸の中で、頭をなでられた。
「李子が本当は短い髪が好きだって知ってる。
俺のわがままを聞いて、女らしくしてくれてるんだってこと」
「それもあるけど、一番は私が女っぽくしたいから。
家族と仲いい友達、紘也の前でしかこの喋り方はしてないよ。同僚とかの前で
癖が出そうになるけど慌てて丁寧語で誤魔化してる……おかしいだろ。
こんな私でも、側にいたいって思ってくれる紘也は貴重だよ」
くすっと笑うと、あごを持ち上げられ上から見下ろされた。
絡み合う視線に未だ照れてしまうけど、絶対にそらさない。
真剣な相手に対して失礼にも程があるから。
息を呑んだ。
「今日で付き合って一年だっけ?」
「……一年半だ」
二人の始まりが噛みあっておらず、お互いに吹き出した。
「いい加減に認めなさい」
「何か癪だ」
「やっぱり俺達は体から始まったんだな。それ故に分かりあってる」
にっこり。眩しいくらいの笑顔に、うっ、と怯んだ。
「うぶ李子をからかうのもまた楽し」
「こら。続けて言うな」
紘也には、抵抗してしまうけれど、愛が生まれたのは、同じ夜を過ごして朝を迎えたあの日なんだろう。
それまでは、恋だった。ささやかな絆を温めていた。
繋がれた手は、汗でじっとりと湿っていたけれど
どちらとも離そうともせずに暫く握りしめていた。
踵を地につけて背伸びする。紘也が、私の肩に手のひらを置いた。
顔が傾いて重なる影。甘くくちびるが触れあう。
微かな音を響かせて口づけは終わる。
暫く静かに見つめ合い余韻に浸っていた時。
「李子さあ」
「ううん?」
「明日俺の誕生日なんだけど」
「強請らなくてもちゃんとプレゼントなら用意してるよ」
おお?っと思うくらい可愛く感じたので思わず宥めるように応えていた。
「この日の為にホテルを取ってあるから、李子は身一つでいいよ」
赤面した私は彼を突き飛ばしかけた。
普通にさらっと言う紘也にいつになったら馴れるのかは、
私こと河野李子(こうの りこ)
と高市紘也(たかいち ひろなり)しか知らない。
(結局、私ごとプレゼントするってことか!
何自分の誕生日に自分で予約入れてんだよ)
突っ込みはしない方がよさげだった。
噂話をしていた女性達はいつのまにかいなくなっていた。
*********************************
紘也が、六法全書を常に持ち歩いているのは職業柄というよりも
単に「趣味」だからです。
好きすぎてしょうがないんですよ。
いつも李子と同じくらい大事にしています(本と同等にされている李子)
年齢に関しては、この話の時点で、李子23歳
紘也26歳です。李子は誕生日が来て24になります。
「あの人、かっこいいよね」
「絶対彼女いるって」
「分かんないわよ。ああいう人に限ってガード硬かったりするし」
「声かけてみれば」
「どうしようかな」
女性たちはちらちらと、紘也の方を見ながらお互いを冷やかしていた。
距離的に会話が聞こえても文句は言えないが、
当の本人は気づいてもいないようだ。
分厚い本をバックから取り出してそっと、膝の上に置いた。
(やっぱり紘也ってモテるよな)
待ち合わせの椅子のベンチで、曲者の彼氏は膝を組んでいる。
六法全書と記された表紙を大事そうに撫で、
しおりを挟んでいたページを開き、薄く笑う様子はある意味不気味ともいえるが。
傍らにある分厚い本が、何の本かまで、女性達に確認できているのだろうか。
(ちょっと変だよな……)
つい後ずさりしそうになった私に罪はないだろう。
紘也は、普段はかけていない度なしの眼鏡をはずすとワイシャツのポケットに素早くしまった。
彼は未だ駆け出しだが、れっきとした弁護士で将来を嘱望されている。
大学在学中に司法試験に合格して、一人前の弁護士となるため、その道をひた走ってきた。
何歳で個人事務所を設立するかも、人生設計に組み込まれていて、
他の人生計画も、詳細に語られ返答に困った。
何度も、こっちの名前が出てきたので、どうやら私は彼の人生で
重要な役割を担うらしい。
(……どうも現実感がないんだよな。
そもそも私でいいのか。紘也にふさわしいのかな。
駄目だ。あまりの違いに虚しくなってきた)
おそるおそる近づくと、隣に腰を下ろした。
「や、やあ」
片手をあげて微笑む。ちょっとぎこちなかったかもしれない。
「……どうかしたのか。いつにも増して挙動不審だな」
面白おかしくてたまらないと言った風情の紘也を
本来なら怒ったりする所だが、
「紘也、この前の本気なの?」
「俺はいつだって本気だ。李子の前で嘘をついたことあったか」
「ない……。いや、でも私平凡なOLだし、
見かけも普通だと思うし、紘也と釣りあってるのかなって」
くっくっくと喉で笑われ、さすがに拳をぐーで握った。
そこで堪えた私も成長したと思う。
「成長したとか考えたろ。顔にしっかり出てるくせに」
「茶化さないで答えてよ」
「李子って全然自分のこと分かってないんだな」
「分かってるよ?」
「いいや。分かってないね。どこが平凡だって。
見た目はそりゃ誰がどう見ても女だが、口を開けば男言葉が飛び出すし、
鈍いし、馬鹿だし、ちょっと頭が弱いけど、存外可愛げもあるし」
「ほとんど悪口にしか聞こえないんだけど」
「気のせいだな。俺は真実を述べているだけだ。
要するに、こんな個性的で、手のかかる女の相手は一生俺しか務まらないということだ」
さりげなさすぎるが聞き逃すはずもなかった。
「簡単に言うなよ」
「そんなつもりはない。逆に聞くが、李子は俺じゃ不満なのか。
これから先、苦楽を共にする伴侶としては失格なのか」
想像以上に下手に出られ面食らう。
「鳩が豆鉄砲食らった顔してるな。俺だって常に自信満々というわけでもない。
お前に関しては、出方に迷うこともしばしばだし、弱い所見せるのはしゃくじゃないが、
まあいいかと妥協してしまっている……ああ、だから李子に俺は敵うはずもないってことなんだ」
強い口調は本音を晒しているしか思えなくて、
つ、と目頭の奥が痛んだ。
赤くなった顔を隠すように、抱きしめられる。
ぽすん、と音がした胸の中で、頭をなでられた。
「李子が本当は短い髪が好きだって知ってる。
俺のわがままを聞いて、女らしくしてくれてるんだってこと」
「それもあるけど、一番は私が女っぽくしたいから。
家族と仲いい友達、紘也の前でしかこの喋り方はしてないよ。同僚とかの前で
癖が出そうになるけど慌てて丁寧語で誤魔化してる……おかしいだろ。
こんな私でも、側にいたいって思ってくれる紘也は貴重だよ」
くすっと笑うと、あごを持ち上げられ上から見下ろされた。
絡み合う視線に未だ照れてしまうけど、絶対にそらさない。
真剣な相手に対して失礼にも程があるから。
息を呑んだ。
「今日で付き合って一年だっけ?」
「……一年半だ」
二人の始まりが噛みあっておらず、お互いに吹き出した。
「いい加減に認めなさい」
「何か癪だ」
「やっぱり俺達は体から始まったんだな。それ故に分かりあってる」
にっこり。眩しいくらいの笑顔に、うっ、と怯んだ。
「うぶ李子をからかうのもまた楽し」
「こら。続けて言うな」
紘也には、抵抗してしまうけれど、愛が生まれたのは、同じ夜を過ごして朝を迎えたあの日なんだろう。
それまでは、恋だった。ささやかな絆を温めていた。
繋がれた手は、汗でじっとりと湿っていたけれど
どちらとも離そうともせずに暫く握りしめていた。
踵を地につけて背伸びする。紘也が、私の肩に手のひらを置いた。
顔が傾いて重なる影。甘くくちびるが触れあう。
微かな音を響かせて口づけは終わる。
暫く静かに見つめ合い余韻に浸っていた時。
「李子さあ」
「ううん?」
「明日俺の誕生日なんだけど」
「強請らなくてもちゃんとプレゼントなら用意してるよ」
おお?っと思うくらい可愛く感じたので思わず宥めるように応えていた。
「この日の為にホテルを取ってあるから、李子は身一つでいいよ」
赤面した私は彼を突き飛ばしかけた。
普通にさらっと言う紘也にいつになったら馴れるのかは、
私こと河野李子(こうの りこ)
と高市紘也(たかいち ひろなり)しか知らない。
(結局、私ごとプレゼントするってことか!
何自分の誕生日に自分で予約入れてんだよ)
突っ込みはしない方がよさげだった。
噂話をしていた女性達はいつのまにかいなくなっていた。
*********************************
紘也が、六法全書を常に持ち歩いているのは職業柄というよりも
単に「趣味」だからです。
好きすぎてしょうがないんですよ。
いつも李子と同じくらい大事にしています(本と同等にされている李子)
年齢に関しては、この話の時点で、李子23歳
紘也26歳です。李子は誕生日が来て24になります。
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