last supper

久々だけどお題から（汗）

リハビリしないと書けない気がしていて。
多分、積み読の本がたまっているせいもあるんでしょうね。

というわけで、今回はSweet dropの
明梨と砌で、キス２２題「１、髪」です。
お蔵入りとなっているＲ１８話（そんなにシーン長くないし
シリーズの続編っぽい感じです）
もその内また上げれたらなと思ってます。

今回の話はＲ１５でお願いしますｖ

[0回]

けだるい空気に、身をよじる。
大好きな彼の腕の中、ぼんやりとまぶたを押し開く。
頭は、胸に引き寄せられて閉じ込められていた。
自然と、肌が触れ合っていて、ほんのり頬を染めてしまう。
幾度も、同じような夜を過ごし朝を迎えた。
宙に手を伸ばしかざしたら、光さえつかめそうだなと
ゆめみたいなことを思ったりして。
（だって、一つになった時に、光が弾けるんだもの）

結ばれてから一年程が過ぎ、少しずつ変わって行っている。
二人の気持ちは昔よりずっと強くなって、
将来のことさえ自然と話すようになった。
まだ、頼りなくて不透明な未来でも、
お互いを信じていればきっと大丈夫……だよね。

砌の繋がりで色々な人にも出会った。
彼がいなければ会うこともなかった人たちだと思えば、縁は不思議だ。

まるで物語の中から抜け出たような
綺麗な二人。
お兄さんは、翠ママが自慢するのも分かるほどのイケメンで、
初対面の時はあまりのお色気にちょっとくらくらしてしまった。

そして、可愛らしくて綺麗なお姉さん。
私とは三つしか違わないのに大人っぽくて可憐で。
出逢った時からずっと優しくしてくれている。
砌と恋人関係でしかない私とはまだ何の関係もないのに
妹みたいに可愛がってくれる。
あの子もお人形みたいに可愛い。また会いたいな。

「ねえ、砌……」
「……う」
うめき声をあげた彼が、ゆっくりと目を開ける。
がばっと抱きついたら、何故か跳ね除けられた。
「ひ、ひどいよ」
「いきなりやめろよ……」
「どうして? 」
「俺を刺激するなって」
「っ……あ、ごめんね」
　慌てて離れるも今度は砌が離してくれなかった。
　背中から抱きしめられて、その激しい熱に吐息が漏れる。
「ああ、また明日から一人か」
「また、すぐ会えるじゃない」
「けど……、寂しいものは寂しい」
　心なしか腕の力が強くなって、胸がきゅんとなった。
「本当は正面から抱きしめられたいなあ」
「……もう一回? 」
　意味を察しこくんと首を動かす。
　一度離れた砌は、今度は私を上向けにして
　抱きしめてきた。安全のための準備は、滞りなく済ましている。
　抱きついて、くっついて、全部が一緒になってしまえたらいい。
「っ……大好き」
「俺も……好きだ」
　揺れる視界の中、すがりつく。
　意識が焼けて、溶けるまでお互いを確かめ合った。
　

　服を着て、まどろむ。
　同じベッドの中で、こんな風に過ごすのがたまらなく好き。
　一つになって、その後の時間が、愛しい。
　砌は急に素っ気無くなったりしないからだ。
　抱きしめて、ぽんぽんと頭をなでてくれる。
　愛し合う前も、そのあとも大事な時間だって、彼は言ってくれた。
「お前の髪、いつも思うけど綺麗だな」
「面と向かって、くさいこと言うんだから」
「陽の光に当たるときらきら光って本当に綺麗だ」
　さらさらと髪を撫で梳かれながら、うっとりとまぶたを閉じる。
　視界を閉ざしていても彼の優しい手つきは、何も不安を感じさせない。
ひと房すくってはキスをするのは恥ずかしいけど。
　においを嗅ぐみたいに鼻を摺り寄せて、いとおしいが伝わってくる。
「中々会えないなあ」
「また……かよ」
　私の言いたいことを察して、砌はため息を漏らす。
「だって大好きなんだもの! もちろん、砌が一番だけどね」
「当たり前だろ」
　ぎゅっと、抱きしめあって瞳を閉じる。
「二人みたいに、早く一緒になれたらいいな」
「そうだな……」
　永遠を約束する日が来るまで、どうか共に在れますように。